【生活保護とは?】仕組みや受給する方法を簡単に解説
- NPO法人 暮らし就労支援協会

- 17 時間前
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生活保護の定義・目的
生活保護ってなに?
日本国憲法第25条に基づくセーフティネット制度で、健康で文化的な最低限度の生活を保障します。収入や資産が不足し、他の支援でも生活が維持できない場合、だれでも申請できる最後の砦です。
制度が目指す2つの柱
・最低限の生活保障:病気・怪我などで収入が途絶えても、医療扶助などの支援を通じて最低限の暮らしを守ります。
・自立への後押し:就労支援などを通じて、再び自分の力で生活できるようになることも目的の一つです。
受給要件
生活保護の3大扶助
受給できる人の3条件
【 収入がMHLW基準値(最低生活基準)を下回る】
【換金可能な貯蓄・資産がない】
【親族からの経済的援助が望めない】
詳しく解説
1.【収入がMHLW基準値(最低生活基準)を下回る】
生活保護を受けるための最大のポイントは、現在の収入が厚生労働省の定める「最低生活費」を下回っているかどうかです。
この「最低生活費」は、地域や世帯の人数、年齢などによって細かく決められており、「健康で文化的な最低限度の生活」ができる水準として計算されます。
例えば:東京23区
・単身世帯で約13万円
・2人世帯(夫婦)で約18万円
居住地域によって10~13万円と差があり、金額が一律ではありません。
仮にあなたの月収が7万円で、地域の基準が11万円の場合、差額4万円が生活保護として支給される可能性があります。
💡ポイント・年金、給与、アルバイト収入、仕送りなど全ての「収入」が対象・支払われた税引き後の収入で計算される
2.【換金可能な貯蓄・資産がない】
生活保護は「収入が足りないからといって、すぐに給付される制度」ではありません。まずは、持っている資産を使い切ってからという原則があります。
💡対象となる資産
・預貯金(生活費を超える分)・株式や保険の解約返戻金・自動車やバイク(基本的に処分対象)・家賃収入などを生む不動産(自宅以外)※これらが生活費に換金できる場合は、原則として先にそれを使い切ってから申請する形となります。
ただし、以下のような例外もあります
・離島や車が無いと通勤・通院できない地域では「自動車保有可」な場合・病気の治療に必要な資金など、一部は残しておけることもあり
※生活の維持に不可欠なもの(例:福祉就労用パソコンやスマホ等)については、保有を認められるケースも増えています。
3.【親族からの経済的援助が望めない】
生活保護申請の際に多くの方が不安に思うのが「親や兄弟に連絡されるのでは?」という点です。これは「扶養照会(ふようしょうかい)」という制度です。
厚生労働省の方針では、申請時に市区町村が親族へ「経済的な援助ができるかどうか」を文書で照会することが原則とされています。
しかし、現実には以下のような場合、
・高齢や病気で援助が不可能・親族が困窮している・絶縁状態やDV・虐待歴がある
などの事情があれば、実際に援助が行われるケースはごくわずかです。
また、照会されたくない理由がある場合は、事前に申し出ることで対応される可能性も高いです。また、この「扶養照会」は義務ではありますが、援助できないと判断された場合には申請者本人が不利になることはありません。
💡この①②③の条件を満たしていれば、生活保護の申請・受給の対象者である可能性が非常に高くなります。
援助の柱:3つの扶助
生活保護制度は8種類の扶助で構成されていますが、なかでも「生活扶助」「住宅扶助」「医療扶助」の3つが主要とされ、「3大扶助」と呼ばれます。それぞれの内容は以下の通りです。
1.生活援助 食費・光熱費・衣類などの生活費
日常生活に必要な費用(食費、衣類、光熱費など)を補助します。金額は年齢や家族構成、地域によって異なりますが、基本的な暮らしを送るうえでの最低限の支出をカバーすることを目的としています。
2.住宅扶助 家賃住宅の家賃補助
家賃や地代などの住居費用を補助します。支給上限は地域(都道府県や市区町村)ごとに設定されています。たとえば東京都23区では単身者で上限5.3万円、世帯人数に応じて増加します。
3.医療扶助 医療券を使った無料受信が可能
病院での診療費・入院費などを公費でまかないます。生活保護を受けている間は健康保険証を使わず、福祉事務所が発行する医療券を用いて医療機関にかかることになります。
9つの加算項目
増額される9つの加算
特定条件に当てはまる場合、生活扶助にプラス:障害者・妊産婦・児童・母子・在宅療養・放射線障害・介護保険料・施設入所者・冬季加算が追加されます。
1. 障害者加算
障害等級1〜3級に該当する方が対象。身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている場合など、状態に応じて支給額が決定されます。
2. 妊産婦加算
妊娠中・出産直後の女性に支給。栄養補助・医療受診・身体ケアのために必要な支援を想定して加算されます。
3. 児童養育加算
18歳未満の子どもを養育している世帯が対象。子どもの健全な育成・教育支援として追加給付されます。
4. 母子(父子)加算
ひとり親家庭に支給。就労と子育ての両立による負担を軽減する目的で設けられています。
5. 在宅患者加算
病気やケガにより自宅療養が必要な場合に支給。栄養補助や通院交通費などが想定されています。
6. 放射線障害者加算
原爆・放射線による障害がある方に対して支給される特別な加算です。
7. 介護保険料加算
介護保険の第1号被保険者(65歳以上など)で、介護保険料の負担がある場合にその分が補てんされます。
8. 介護施設入所者加算
介護施設などに入所している方に支給。理美容費など、施設利用者が実費で負担する部分への支援が含まれます。
9. 冬季加算
寒冷地などで光熱費が増加する冬季(11〜3月が基本)に支給されます。地域により期間が異なり、Ⅰ・Ⅱ区は10〜4月までが対象。また、在宅療養者や乳児世帯などは「特別基準」として最大1.3倍の支給も可能です。
💡特例加算(2025年度~)2025年10月からはさらに+500円が加算され、合計で【月額+1,500円】に増額される予定です。
物価高に対応し、生活保護世帯の実質生活水準を維持するための時限的措置です。上記9つの加算は「対象条件に当てはまる方」のみに支給される追加扶助です。冬季加算などは住んでいる地域や世帯の状況により期間や金額が異なります。
支給額の目安
いくら支給されるの?
💡地域や世帯構成に応じて変動します。例として東京23区では一人世帯約13万円、大人2人世帯で18.7万円程度です。(※詳細な都市別金額は厚労省級地制度による)
受給時の制限・禁止事項
受給中に気をつけたい制限とは
1.資産の所有制限がある
生活保護を受けるには、保有している資産を生活費に充てたうえで申請する必要があります。ただし例外もあり、以下のものは保有OKとなる場合があります。
・通勤・通院に必要な軽自動車や原付バイク・学習や就労支援に必要なパソコン・スマートフォン・一定額以下の預貯金(※上限は自治体による)
💡ポイント ➡ 高額な資産・ブランド品などは原則NG
2.保険は原則解約対象(ただし例外あり)
・生命保険や個人年金保険などは基本的に解約対象ただし、掛け捨て型・解約返戻金が極めて少額なものは、例外的に認められるケースあり
医療については医療扶助があるため、個人の医療保険は必要ありません。
3.高額な買い物・贅沢品の購入は不可
・生活保護受給中にパチンコ、ブランド品、娯楽品などを購入すると、指導対象になります。
・一定以上の支出をすると、領収書の提出や説明義務が発生するケースも。
💡ポイント ➡ SNS等への「浪費アピール」もケースワーカーに見られる可能性があります。
4.借金返済のための生活保護費の使用は禁止
生活保護は「生活を立て直すための給付」であり、過去の借金返済に使うことは法律で禁止されています。
借金があっても申請は可能。ただし、返済は「収入の範囲内」で行う必要があります。
5.ケースワーカーの指導には必ず従う
・生活保護を受けている間は、自治体のケースワーカーが定期的に状況確認や訪問を行います。
・これに無断で応じない・虚偽申告をするなどすると、支給停止や調査対象になります。
6.家庭訪問が定期的にある
・原則として、月1回以上の家庭訪問(自宅調査)があります。
・訪問の目的は「生活状況の確認」「就労状況の把握」などであり、プライバシーを侵す目的ではありません。※どうしても自宅での訪問が困難な場合は、あらかじめ事情を説明しましょう。
生活保護を受ける際には、誤解や偏見から「贅沢してはいけない」「監視される」などの不安を抱える方も多いですが、実際には「最低限の生活を守るための合理的なルール」が設けられているだけです。
申請のステップ
申請の方法と流れ
福祉事務所に相談・面談予約
必要書類を記入(申請書/収入・資産報告書/同意書/扶養義務届等)
担当ケースワーカーの家庭訪問
14日以内に受理判断(急ぎのケースは即対応あり)
受給決定後、扶助がスタート
私たちのNPOによる2つのサポート
NPO「暮らし就労支援協会」が提供する2大支援
簡単な質問に答えるだけで診断できる“生活保護診断”
【無料】携帯1つでカンタン診断。“今とてもキツイ”という方は上記の診断からすべてが解決する場合があります。
①生活保護の申請同行、面接対策サポート
生活保護の申請実績のある専門家が一緒にあなたの生活保護申請に同行させていただきます。(※地域や条件によっては同行ができない場合もございます)申請は今の状態になった経緯や働けない事情を説明する必要があり、面接担当者が納得できる内容でなければなりません。私たちのNPOでは生活保護を申請するにあたり、なかなか自身の言葉で表現できない方に対しても丁寧に話を聞き取り、面接でも自分の言葉で説明できるようにサポートさせていただきます。申請から受給開始、その後の就労のサポートまでお手伝いさせていただきます。
②就労・自立支援:福祉事務所・ハローワークと連携し、再就職やスキル取得サポート
病気や怪我で仕事が困難になってしまった方の為に、病気や怪我に対して理解を示してくれる企業との橋渡しや、企業から選ばれる為の履歴書や職務経歴書の書き方、在宅ワークで活用できるスキルの習得のサポートも行っております。
まとめ
生活保護は「最後のセーフティネット」であると同時に、「自立をサポートする制度」です。
申請は恥ずかしいことでも罪でもありません。必要な人が必要な支援を受けるのは当然の権利です。
迷っているなら、まずは相談だけでもOK。一人で抱えず、わがNPOまでお気軽にどうぞ。

NPO法人 暮らし就労支援協会




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